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proud じゃぱねせ

proud じゃぱねせ

なぜ旦那が黒人なのか? その2

そして、期待に胸いっぱいのハワイに到着。
何人か(っと言っても結構いた)黒人さんを横目でチロチロ見ていたが、
声を掛けるなんて、恥ずかし過ぎて出来なかった。
そんな風に時間はどんどん過ぎていった。
3日目か4日目の夕方、黒人の3人組に声を掛けられた。

「ハイ、何してるの?」
「べっ別に。。(心臓バクバク、やっぱりちょっと恐い)」
「僕の名前はラニー、こいつはウィル、そんでもってこいつはトロイ」
(全部仮名、だって覚えてないし、、)
「私はいぶら」
「これから夜のワイキキに散歩に行くんだけど、一緒に行かない?」
これだけの会話をするのに、緊張しているは、英語は分からないはで、
彼に同じ事を3回ぐらい言わせてしまった。

30分後にロビーで待ち合わせして、
速効部屋まで戻って、大丈夫かなぁなんて心配する反面、
大はしゃぎしながらこれでもない、あれでもない、っと服を選んで、
昨日のショッピングで買ったばっかりのパフュームを身につけて、
いざ出陣。

緊張しながらロビーに行くと、彼はもう来てて、
私を見つけてにっこり笑って手を振った。
今じゃ顔も覚えていないけど、その時は、あっ、なんかこの人かわいいって思った。
彼はホテルのドア開け、私を促した。
私はドアを押さえた彼の腕の下ををくぐるように外に出た。
5段ぐらいのホテルの階段の一段下に下がって、
彼は「僕にエスコートさせて下さい」とゆっくり言って、手を差し出した。
すごくドキドキした。
彼はすごく自然でスムーズで、
私をとってもいい気持ちにした。
ワイキキビーチのメインストリートを、私の手を握ってゆっくり歩いた。

私はしどろもどろの英語で、
「マルコムXって知ってる?」っと聞いてみた。
「知ってるよ、彼はモスリムだろ。」
「ねぇ、アメリカで黒人でいるのってどんな感じなの?」
(自分ではそう聞いたつもり)
彼は眉間にしわを寄せて、暫く私をじっと見ると、
「地獄の様だよ。」っと言った。
暫く私を見てたのは、マルコムXの質問の後だっただけに、
彼にしてみれば、ちゃんと答えるべきかはぐらかすべきか、
ちょっと考えたんだろう。(たぶん、、)

その後彼は、ゆっくり、できるだけ簡単な英語で、
よその国に行っても、自分の国に帰っても差別され、
自分がどこも属していないと感じる事、
毎日、自分も自分の家族も友達も、差別を経験しない日はない事などを熱く語ってくれた。
私はものすごく惹かれた。彼に、そしてアメリカの黒人に。

その翌日も、一緒に過ごして、
無事に私は帰途に着いた。
帰りの飛行機で私は、どれだけ彼、そして彼らが格好良くて、
私をドキドキ、ワクワクさせたか、
日本でどうしたら黒人に出会えるか、そんな事ばかり考えていた。

それから暫しの試行錯誤の後、
私は横浜の「サーカス」、六本木の「ヴィエティ」にちょびちょびと遊びに行くようにになった。


のんきとの出逢い 前編に続く


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